「ヨーロッパで生まれたバカラ」では、中世にイタリアで誕生したバカラの起源について解説しました。
ヨーロッパの貴族の間で大流行したバカラは、近代に入ってからアメリカにも持ち込まれました。
「アメリカンバカラの父」として親しまれるトミー・レンゾーニは、元々アメリカ人富裕層が多かったハバナにバカラを導入しました。
しかし、1959年にキューバ革命が起こり、共産党政権がハバナを占領すると、現地のカジノを次々と閉鎖。レンゾーニもハバナでのビジネスを諦めざるを得なくなりました。
カジノを楽しんでいた富裕層たちはアメリカに移住後、ネバダ州をカジノタウンとして発展させました。それが今日の世界でギャンブル街として知られるラスベガスです。
レンゾーニはラスベガスのカジノ市場に参戦しましたが、当初バカラの導入を検討していたカジノはたったひとつでした。富裕層の間で人気が出ると、すぐに他のカジノでも導入され始めました。
大衆のためのミニバカラ
ラスベガスのこの地で、一般人にもバカラを浸透させたいという思いから誕生したのが、より手軽に楽しめる「ミニバカラ」です。
ミニバカラのルールは普通のバカラとほぼ同じです。最低掛け金が低く設定されており、より気軽にプレイできる仕様となっています。通常のバカラではバンカーまたはプレイヤーは絞る(めくる)ことができますが、ミニバカラでは両者ともカードに触ることは認められていません。カードを直接扱うのはディーラーのみであるというのが両者の決定的な違いです。