約30年ほど前に、バカラで大金を獲得し世界に名を知らしめた伝説の日本人ギャンブラーがいました。その男の名は柏木昭男です。オーストラリアのカジノでバカラをプレイし、日本円にして29億円という賞金を手に入れたにもかかわらず、1年半後に何者かに殺害されてしまいました。ここでは、彼の生涯を少し追っていきます。
柏木さんは1937年に関東地方で生まれました。彼は生前、不動産業と貸金業を営んでいました。その手腕で成功を収め、「不動産王」の称号を得た時もありました。その成功で得た利益はギャンブルに回していたようです。日本にはカジノがないので、主に海外に飛び、本場のカジノでゲームを楽しんでいました。海外のカジノでは、VIP扱いで渡航費や宿泊費も負担してもらえていたようで、それだけ頻繁に利用していたということなのでしょう。
1990年、オーストラリアのダーウィンのカジノ、バカラで約29億円の賞金を得たことで、その名は世界中に広まりました。「ウォーリアー」というあだ名までつくほどギャンブル界の有名人となりました。
しかし、1992年、柏木さんは日本の邸宅で遺体となって発見されました。150ヶ所を刺され、台所で倒れていたのです。殺害当時、勝手口が開いていたのが分かっただけで、無理矢理何者かに侵入された様子もなく、凶器も見つかっていません。
捜査中に疑いのある人物は逮捕されましたが、有力な証拠はなく、その後不起訴となっています。犯人は見つからず2007年に時効を迎え、未解決事件として謎が残ったままとなっています。